「とりあえず何か送ろう!」は「×:ダメ」です。
情報収集とニーズの先読みが大切。
必要なものを必要な分だけ、必要な時にまとまった量を届ける。
被災地域の経済も考える。
実は「救援物資は第二の災害」といわれるほど、現地にとっては厄介な存在です。
全国から怒涛の如く送られてくる物資の整理や避難所への発送は、自治体・社協職員やボランティアなどが人海戦術で行います。
4トントラックで段ボール梱包満載の荷物が届き、降ろし荷ほどきし、ざっと何が入ってるか確認している頃にまたトラックが到着する。そのような状態で、物資の仕訳を行い、消費期限や個数をチェックする。
そして、まとまった量が揃ったときに、物資が重複しないよう避難所に配送する。
というのの繰り返しでした。
保管は、体育館や倉庫、屋根のない公園などで様々です。
とは言えども、1993年北海道南西沖地震の被災地・奥尻島では、救援物資5,000トンの保管のために1,000平方メートルの仮設倉庫を3,700万円かけて建築し、さらに仕分の結果、衣類(タンスの肥やし)を中心とする1,200トンが不要と判断され、カビや腐敗など衛生面の問題から焼却処分となり、これに560万円の予算投入という過去があります。
発災直後、避難所、仮設住宅と必要な物資も気持ちや時と場所で刻々と変わります。
また、避難所となると、まとまった量が必要となりますし、さらにいろんな要望に答えようとすると、キリが無くなります。
過剰な支援は控えて、最低限、衣・食・住と衛生面に関するものだけにしましょう。
例えば、東日本大震災・津波の時での話・・・。
「適当な食料や古着を送るのは、やめてください…とても迷惑でした。」
個人が段ボール数箱分程度の支援物資を送るのは、仕分けや保管の手間がかかりました。
賞味期限切れの食べ物、生野菜・果物もありました…。
集団食中毒の可能性もあるので、ほとんどが避難所に届けられませんでした。
衣類に関しては、タンスの肥やし的な古着も大量に来てしまい、最終的には古着屋さんへの買い取りや、夜の暖をとるための燃料(焼却)となったりしました。
衣類は、某衣料品メーカーさんが新品を無料で配布したとたん、古着のニーズは一気に無くなりました。
他にも、処分しきれない行く宛が無くなったニーズ切れで備蓄できない新品支援物資は、売却され義援金となりました。
移送に関しては、4トントラックに満載する物資を自力で運搬し、かつ被災地のニーズをダイレクトに収拾するルート(団体・企業のネットワーク)を持っていないのであれば、物ではなくて「お金:募金・義援金」を送るようにしましょう。
実際問題として、物資を送るというのは、購買活動がなくなることに繋がるので、現地の商店街やスーパーなどの地域経済を潰しかねないのです。
被災地の経済を回せるよう、支援金や募金も活用しましょう!
私が東日本大震災・津波発災1か月後行っていた「地元商店街・地域経済も守る」取り組み。
NPO法人ふれあいステーション・あい「地元商店を活用した被災者支援」
NHKニュースにも何度も取り上げてられました。
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